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相続手続きの順番【2026年最新】|死亡から相続完了までの全体ステップと期限
この記事の内容(全12項目)
この記事の結論(30秒でわかる)
- 相続手続きは「期限のある手続き」と「期限のない手続き」が混在しています。死亡から3ヶ月の熟慮期間、10ヶ月の相続税申告期限など、逃すと後戻りできない期限を把握することが最重要です。
- 死亡直後は役所手続き(死亡届・世帯主変更等)を14日以内に済ませ、同時に財産調査を始めます。3ヶ月以内に相続放棄・限定承認するか、単純承認するかを判断します。
- 相続すると決めたら遺産分割協議を始め、協議書を作成します。その後、相続税の申告(10ヶ月以内)、名義変更など、財産ごとの手続きを進めます。
- 本記事は一般的な説明です。個別の判断は必ず弁護士・司法書士に相談してください。
親記事は相続放棄と遺品整理、遺品整理の進め方は遺品整理の基礎ガイド、賃貸の場合は賃貸の遺品整理と退去期限にまとめてあります。
相続手続きの全体像 — 死亡から14日・3ヶ月・10ヶ月の3つの期限
| 時期 | 期限 | 主な手続き |
|---|---|---|
| 死亡直後 | 7日以内 | 死亡診断書取得、死亡届提出、埋葬許可 |
| 第1段階 | 14日以内 | 健康保険・年金資格喪失、世帯主変更、介護保険返却 |
| 第2段階 | 3ヶ月以内 | 財産調査、相続放棄・限定承認の判断と申述 |
| 第3段階 | 相続確定後 | 遺産分割協議、協議書作成、実印押印 |
| 第4段階 | 10ヶ月以内 | 相続税の申告と納税(必要な場合) |
| 完了段階 | 期限なし | 預金解約、不動産・株式・車の名義変更 |
死亡直後から7日以内にすること
死亡診断書の取得
医療機関で亡くなった場合、医師から死亡診断書が交付されます。自宅や事故現場で亡くなった場合は、医師の診察を受けた上で死亡診断書が発行されます(警察の調べが入る場合もあります)。
枚数のポイント: 死亡診断書は複数部必要になります。原本は相続手続き各所で提出を求められるため、役所で手数料を払って複数枚の証明書をもらうことをおすすめします(1枚につき数百円程度)。
死亡届の提出
死亡診断書をもらったら、7日以内に市町村役所に死亡届を提出します。これにより、故人の戸籍に「死亡」が記載されます。
- 提出先: 故人の本籍地、死亡地、届出人の住所地のいずれかの市町村役所
- 必要書類: 死亡診断書、届出人の印鑑(認印で可)
- 届出人: 同居している親族で問題ありませんが、親族でない場合は届出人の本人確認書類が必要になります
埋葬(火葬)許可書の取得
死亡届を提出すると、役所から埋葬(火葬)許可書が発行されます。これは火葬場で火葬を行うために必須の書類です。葬儀社が手配を担当することが多いため、葬儀社の指示に従いましょう。
葬儀の手配
故人を火葬に付すまでに葬儀を行うのが一般的です。葬儀社に連絡し、日程・規模・費用を打ち合わせます。
注意点: 故人の財産から葬儀費用を支払うことは、「社会通念上相当な範囲」であれば相続を承認した(法定単純承認)とみなされない傾向ですが、状況によっては判断が分かれます。金額が大きい場合や不安がある場合は、相続放棄を検討する前に弁護士・司法書士に相談してください。
14日以内にすること
健康保険の資格喪失手続き
故人が国民健康保険(市町村)または被用者保険(会社経由)に加入していた場合、死亡から14日以内に保険資格を喪失する手続きが必要です。
- 国民健康保険: 市町村役所に保険証を返却
- 健康保険(会社員): 会社の人事・総務部に報告し、保険証の返却手続きを進める
- 後期高齢者医療制度: 市町村役所に保険証を返却
年金受給権喪失の届出
故人が年金を受給していた場合(国民年金・厚生年金など)、年金事務所に死亡を報告します。受給権が喪失し、月々の年金が停止になります。
- 提出先: 日本年金機構の事務所、または市町村役所の年金窓口
- 必要書類: 死亡診断書、相続人の本人確認書類
世帯主変更の届出
故人が世帯主だった場合、新しい世帯主の届出が必要です。同居家族がいれば、その中から新しい世帯主を選びます。
- 提出先: 市町村役所
- 期限: 死亡から14日以内
介護保険資格喪失手続き
故人が介護保険に加入していた場合、介護保険証を市町村役所に返却します。
相続人・相続財産の調査(1〜3ヶ月目)
相続手続きの中で最も重要な段階です。この調査結果をもとに、相続するか放棄するかを判断します。
戸籍謄本の収集
相続人が誰であるかを確定するため、故人の戸籍謄本をたどります。原則として以下を取得する必要があります。
- 故人が出生してから死亡するまでの連続した戸籍謄本
- 相続人の現在の戸籍謄本
遠い親族が相続人になる場合(例: 故人に子がなく、兄弟姉妹が相続人の場合)、さらに故人の親の戸籍謄本も必要になることがあります。
取得方法は、市町村役所で身分証明書と発行手数料(1通につき数百円)を持参します。法定相続情報一覧図の作成に必要なため、複数部取得することをおすすめします。
法定相続情報一覧図の作成
戸籍謄本から相続人を確定したら、「法定相続情報一覧図」を法務局に提出し、認定を受けることができます。これにより、以後の金融機関や不動産登記での手続きが簡潔になります。
遺言書の検索
故人が遺言書を残していないか確認します。
- 自筆証書遺言: 故人の手で書かれた遺言。自宅に保管されていないか探します。見つけた場合は、家庭裁判所で「検認」を受ける必要があります。
- 公正証書遺言: 公証役場が作成・保管した遺言。公証役場に問い合わせることで確認できます。
- 秘密証書遺言: ごく稀なケースです。不確実な場合は弁護士に相談してください。
財産目録の作成
以下の財産を書き出します。正確性が後の手続きを左右するため、丁寧に確認しましょう。
プラスの財産(資産):
- 預貯金(銀行・郵便局)
- 有価証券(株式・投資信託・債券)
- 不動産(自宅・土地・賃貸物件)
- 貴金属・骨董品など高額な物品
- 故人が貸していたお金(債権)
マイナスの財産(負債):
- 借入金(銀行ローン・消費者金融)
- 知人への借金
- クレジットカードの未払い金
- 連帯保証人として負う責任
手がかりは次のようなものです。
- 金融機関からの通知・郵便物
- 通帳・株券・権利証
- スマートフォンの契約・利用明細
- 光熱費・通信費の請求書
借金・債務の有無確認
相続放棄を判断する上で、借金の有無確認は最重要です。
- 督促状・契約書がないか探す
- 信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)に本人の借金情報を照会する(手続きは各機関に確認してください)
- 不動産に抵当権がないか、登記簿謄本で確認する
多くの場合、借金は死亡直後には見えず、数週間から数ヶ月後に督促状で発覚します。焦らず時間をかけて調査することが大切です。
相続放棄・限定承認の判断(3ヶ月以内)
相続放棄とは
相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないという選択です。相続放棄をすれば、故人の借金を相続する義務がなくなります。
期限は、原則として相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります(民法915条)。期限を過ぎると放棄できないのが原則です。
手続きの流れは次のとおりです。
- 家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出
- 必要書類: 相続放棄申述書、死亡診断書、相続人の戸籍謄本、申述人の本人確認書類
- 審査(通常は書類審査で決定)
- 相続放棄の申述受理証明書を取得
限定承認とは
相続財産の範囲内でのみ、プラスの財産もマイナスの財産も相続する選択です。例えば、プラス100万円、マイナス50万円の場合、限定承認なら50万円だけ支払い、残り50万円は受け取ることができます。
期限は相続放棄と同じく、原則3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述します。ただし、相続人全員で申述する必要があります。
単純承認とは
プラスもマイナスもすべて相続する選択です。相続放棄や限定承認をしなければ、自動的に単純承認となります。
判断基準
| 状況 | 選択肢 | 理由 |
|---|---|---|
| プラス大(資産多い) | 単純承認 | 相続する価値がある |
| マイナス大(借金多い) | 相続放棄 | 借金を逃れる |
| 不明(借金の有無が不明) | 放棄 or 限定承認 | 専門家に相談 |
| プラスマイナス相当 | 限定承認 | バランスが取れる(手続き複雑) |
判断に迷う場合、また期限の伸長を申し立てたい場合は、必ず弁護士・司法書士に相談してください。自己判断で遺品を処分してしまうと、法定単純承認とみなされ、放棄ができなくなる可能性があります(→相続放棄と遺品整理)。
遺産分割協議と協議書作成
相続すると決めたら、相続人全員で「誰がどの財産を相続するか」を話し合います。
遺言書がある場合
遺言書がある場合、原則としてその内容に従います。ただし相続人全員が同意すれば、遺言の内容と異なる分割をすることも可能です。
遺言書がない場合
相続人全員で話し合い、協議で財産の分け方を決めます。これを「遺産分割協議」といいます。参加者は全相続人の合意が必須です。1人でも反対していたり、協議に参加していないと後でトラブルになります。
決め方の例は次のようなものです。
- 長男が不動産を相続、次男が現金を相続
- 全員で評価額に応じた現金での分割
- 一部の財産は共有のままにする
遺産分割協議書の作成
決定した内容を書面にします。相続税の申告や名義変更の際に必要になります。
必須要素は次のとおりです。
- 故人の名前・死亡日
- 相続財産の一覧(不動産なら所在地・地番、預金なら金融機関名・口座番号)
- 各相続人の相続内容
- 相続人全員の署名と実印の押印
- 印鑑証明書(各相続人)
遺産分割協議は一度成立すると、原則としてやり直すことができません。慎重に話し合いましょう。
相続税申告(10ヶ月以内)
相続財産が一定額を超える場合、相続税を申告・納税する必要があります。
相続税の基礎控除
相続税がかかるかどうかは、以下の計算で判定します。
基礎控除額 = 3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例えば、相続人が配偶者と子2人(合計3人)の場合、基礎控除額は 3000万円 + 600万円 × 3 = 4800万円です。遺産総額が4800万円以下なら、申告は不要です。
申告が必要な場合
遺産総額が基礎控除額を超えた場合、申告書を税務署に提出します。
- 提出期限: 相続開始から10ヶ月以内
- 提出先: 被相続人の住所地を管轄する税務署
- 必要書類: 相続税申告書、遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書、不動産の登記簿謄本・評価額証明書、預金残高証明書、株式の評価書 など
納税
相続税額が決定したら、10ヶ月以内に納税します。納税方法は一括払いが原則ですが、分割払い(延納)や物品での納付(物納)も検討できます。詳しくは税務署に相談してください。
名義変更・預金解約(相続完了後)
相続財産ごとに、故人名義から相続人名義への変更手続きを進めます。期限の規定がない手続きが多いため、後回しになりがちですが、放置は避けましょう。
預貯金の解約・相続人名義への振替
手続きの流れは次のとおりです。
- 金融機関に相続人であることを証明する書類(戸籍謄本など)を提出
- 遺産分割協議書または金融機関の指定書式に記入
- 故人名義の通帳・キャッシュカードを返却
- 相続人の指定口座に振込
必要書類は各金融機関で異なりますが、一般的には遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書、戸籍謄本などです。
不動産の名義変更
- 法務局に登記変更申請書を提出
- 遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書、故人の戸籍謄本などが必要
- 登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)を納付
- 相続人名義の登記簿謄本が発行される
多くの場合、司法書士に依頼することをおすすめします。
株式・投資信託の名義変更
証券会社に相続を報告し、故人名義から相続人名義への変更手続きを進めます。配当金の受け取りや売却に影響するため、早めの変更をおすすめします。
車の名義変更
陸運支局に相続登録を申請します。相続人が使用する場合は、相続人名義への変更が必要です。
相続手続きで気をつけたい3つの注意点
1. 相続放棄の期限は3ヶ月
相続放棄は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。この期限を超えると、よほどの事情がない限り放棄できません。
借金が後から発覚した場合でも、この期限を過ぎていると手遅れになります。期限まで時間がない場合は、必ず専門家に相談してください。期間の伸長を申し立てることができる場合もあります。
2. 遺品処分と相続放棄は並行できない
相続放棄を考えているなら、遺品を捨てたり、形見分けをしたり、売却したりしてはいけません。これらの行為は「相続を承認した」とみなされ(法定単純承認)、後から相続放棄ができなくなるおそれがあります。
遺品の処分は、相続するかどうかを決めた後に始めましょう。詳しくは相続放棄と遺品整理や遺品整理の見積もりの取り方をご覧ください。業者選びは失敗しない業者選びにまとめてあります。
3. 遺産分割協議は相続人全員の同意が必須
遺産分割は相続人1人では決められません。全員の同意が必須です。同意のないまま勝手に分割を進めると、後々裁判に発展することがあります。
また、遺産分割協議は一度成立すると原則やり直せません。話し合いが難しい場合は、弁護士や家庭裁判所の調停制度を利用することをおすすめします。地域の情報は高松市の遺品整理などの各地域ページも参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 相続手続きはどのくらい時間がかかりますか? A. 相続財産が少なく、相続人が少ない場合は3ヶ月から半年程度で完了することもあります。ただし、相続人が多い、財産が多い、海外に資産があるなど、複雑なケースは1年以上かかることもあります。相続税の申告が必要な場合、相続開始から10ヶ月以内に完了させる必要があります。
Q. 相続人が行方不明の場合、遺産分割協議はできますか? A. 原則としてできません。相続人全員の合意が必須だからです。行方不明の相続人がいる場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てることで、その人に代わって協議に参加してもらえます。詳しくは弁護士に相談してください。
Q. 誰に相談すればいいですか? A. 基本的には弁護士または司法書士です。費用が心配な場合は、法テラス(日本司法支援センター)の無料相談を利用する方法もあります。また、銀行や証券会社の相続窓口でも簡単な説明は受けられます。
参照元・データについて
- 本記事は相続に関する一般的な法制度の説明であり、法律相談・個別の助言ではありません。実際の判断は必ず弁護士・司法書士にご相談ください。
- 相続放棄の期限(3ヶ月)は民法915条、法定相続人の順序は民法886条〜890条に基づきます。
- 相続税の基礎控除額は相続税法15条に基づきます。制度・法令は改正されることがあります。最新の情報は税務署または国税庁のウェブサイトでご確認ください。
- 遺品整理の進め方については遺品整理の基礎ガイド、賃貸の退去については賃貸の遺品整理と退去期限をご覧ください。
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