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空き家3000万円特別控除【2026年最新】|相続した実家の売却で税金を抑える条件
この記事の内容(全12項目)
この記事の結論(30秒でわかる)
- 相続した空き家を売却した際、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。2027年12月31日までの売買契約が対象です
- 主な条件は「1981年5月31日以前に建築された建物」「相続開始から3年を経過する日の属する年末までに売却」「売却価格6,000万円以下」「耐震基準適合または建物取り壊し」の4点
- 遺品整理→耐震改修または解体→売却の順序が原則。遺品が残ったまま売却すると控除が使えない場合があります
- 相続人が複数いる場合、それぞれが3,000万円控除を受けられる可能性があるため、兄弟姉妹での持分分けが有利に働くケースもあります
関連記事: 空き家の固定資産税6倍の仕組み、管理不全空家に認定されない対策、相続土地国庫帰属制度、空き家の遺品整理費用、実家じまい・空き家対策。
空き家3,000万円特別控除とは
制度の概要
相続または遺贈により被相続人の居住用財産(空き家)を取得した相続人が、一定の条件のもとで売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる税制優遇です。
- 正式名称: 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
- 2016年4月1日に創設
- 延長を経て2027年12月31日までの売買契約に適用
制度の目的
- 空き家の流通促進
- 老朽化した空き家による社会問題の解消
- 相続人の負担軽減
控除の効果
譲渡所得(売却益)から3,000万円を差し引けるため、譲渡益にかかる所得税・住民税を大幅に減らせます。
- 譲渡所得が3,000万円以下なら、税額ゼロになる可能性
- 譲渡所得が3,000万円を超える場合、超過分のみに課税
適用条件
1. 相続または遺贈で取得した建物・敷地
- 相続開始の直前まで被相続人(亡くなった方)が居住していた建物
- 被相続人が1人で住んでいた物件(同居人がいた場合は原則対象外、ただし老人ホーム入居中の例外あり)
2. 建物の建築年
1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された建物が対象です。これは旧耐震基準に基づく建物で、耐震性の課題がある物件の流通促進が制度の狙いだからです。
- 建築確認申請の受付日が基準
- 1981年6月1日以降の建物は対象外
3. 売却期限
相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。
- 例: 2026年5月に相続開始→2029年12月31日まで
- 期限内の売買契約・引き渡しの完了が必要
4. 売却価格
売却価格が6,000万円以下であること(2023年の税制改正で5,000万円から引き上げ)。
- 土地と建物の合計価格
- 共有の場合は各相続人の持分に対応する金額
5. 耐震基準適合または建物取り壊し
以下のいずれかを満たす必要があります。
A. 建物を残して売却する場合: 売却時点で現行の耐震基準に適合(耐震改修工事を実施)
B. 建物を取り壊して更地にして売却する場合: 相続開始から売却までの間に取り壊し
2023年の税制改正で「売却後に買主が耐震改修または取り壊しを行う場合」も、売却した年の翌年2月15日までに完了すれば対象になるよう緩和されました。
6. その他の条件
- 相続開始から売却まで、空き家の状態が維持されていること(事業・貸付・居住用途に使われていないこと)
- 以前にこの特例の適用を受けていないこと
遺品整理との順序
推奨される順序
- 相続開始: 相続人・財産の確認
- 相続放棄の判断: 原則3ヶ月以内(詳細は相続放棄する前に遺品整理してはいけない理由)
- 遺品整理: 建物内の家財撤去(詳細は空き家の遺品整理費用)
- 相続登記: 2024年4月義務化、3年以内
- 耐震診断または解体の判断:
- 耐震改修で建物を残す→改修工事
- 更地で売却→解体工事
- 売却活動: 不動産会社との媒介契約
- 売買契約・引き渡し: 期限は相続開始から3年目の年末まで
- 確定申告: 翌年2月16日〜3月15日
遺品が残ったまま売却すると控除が使えない場合
- 建物内に家財が残ったままだと、買主が「居住用途」として引き継ぐと判定される可能性
- 空き家特例の「相続開始から売却までの間、空き家であった」要件に抵触するおそれ
- 遺品整理を完了させてから売却活動を開始するのが安全
空き家の遺品整理費用は空き家の遺品整理費用、4LDK以上・一戸建ての遺品整理費用で解説しています。
2023年改正の影響と2027年末期限
2023年改正の主な変更点
- 売却価格の上限が5,000万円から6,000万円に引き上げ
- 売却後に買主が耐震改修・取り壊しを行う場合も対象(翌年2月15日まで完了が条件)
- 相続人が3人以上の場合、1人あたりの控除額が3,000万円から2,000万円に減額
2027年末期限の意味
現時点では2027年12月31日までの売買契約が対象です。2026年10月時点では残り約2年。
- 相続直後なら、遺品整理→耐震改修または解体→売却まで1〜2年
- 期限ギリギリでは不動産仲介の時間が足りないリスク
- 制度延長の可能性はあるが、現時点では確定していない
早期の判断が重要です。実家じまい・空き家対策もあわせてご覧ください。
兄弟姉妹での按分
相続人が複数いる場合の控除
相続人がそれぞれ持分を取得した場合、各人が独立して3,000万円特別控除を受けられる可能性があります。
- 例: 兄弟2人で持分1/2ずつ相続→それぞれ3,000万円控除(合計6,000万円控除)
- ただし2023年改正で、相続人が3人以上の場合は1人あたり2,000万円に減額
持分の決め方
- 遺産分割協議で持分を決定
- 均等に分ける、または1人が取得して他に代償金を支払う方法
持分別の控除
| 相続人の数 | 1人あたりの控除上限 | 全体の控除上限 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,000万円 | 3,000万円 |
| 2人 | 3,000万円ずつ | 6,000万円 |
| 3人以上 | 2,000万円ずつ | 相続人数×2,000万円 |
税額の試算は相続税専門の税理士に依頼するのが確実です。
確定申告の必要書類
共通の書類
- 譲渡所得の内訳書
- 売買契約書の写し
- 登記事項証明書
- 戸籍の附票または住民票(被相続人の住所確認)
- 被相続人居住用家屋等確認書(市町村発行)
耐震改修を行った場合
- 耐震基準適合証明書
- 耐震改修工事の契約書・領収書
取り壊した場合
- 取り壊した日のわかる登記事項証明書
- 取り壊し工事の契約書・領収書
市町村発行の確認書
「被相続人居住用家屋等確認書」は、売却した物件がある市町村の窓口(空き家対策担当課等)で発行されます。発行には時間がかかる場合があるため、確定申告の前に余裕を持って申請してください。
老人ホーム入居中の被相続人の特例
被相続人が亡くなる直前まで住んでいなくても、特定の条件を満たせば対象になります。
- 要介護認定または要支援認定を受けていた
- 老人ホームなどに入所していた
- 老人ホーム入所後、物件が被相続人の物品の保管・管理に使われていた
- 他人に貸したり事業に使ったりしていない
この条件を満たすと、老人ホーム入居中に相続が発生した場合でも空き家3,000万円控除の対象になります。
老人ホーム入居時の整理は施設入居日まで14日の片付け、老人ホーム退去時の居室片付けもご参照ください。
他の制度との併用
相続税の取得費加算の特例との選択
相続した不動産を売却した際、相続税の一部を取得費に加算できる特例があります。
- 空き家3,000万円控除とは選択適用(併用不可)
- 相続税額が多い場合は取得費加算が有利な場合もあり
- 税理士と試算して有利な方を選ぶ
居住用財産3,000万円控除との違い
マイホーム売却時の3,000万円控除とは別制度です。両者とも控除額3,000万円ですが、適用条件・対象物件が異なります。
香川県での実務
香川県17市町での窓口
香川県17市町(高松・丸亀・坂出・善通寺・観音寺・さぬき・東かがわ・三豊・土庄・小豆島・三木・直島・宇多津・綾川・琴平・多度津・まんのう)で以下の窓口が利用できます。
- 被相続人居住用家屋等確認書: 物件所在地の市町の空き家対策担当課・建築住宅課
- 確定申告: 税務署(高松税務署、丸亀税務署、観音寺税務署など)
- 税理士相談: 香川県税理士会の窓口紹介
不動産売却の相談先
- 香川県宅地建物取引業協会
- 地元の不動産会社
- 空き家バンク(高松市など主要市)
関連する補助制度は香川県の遺品整理行政窓口総まとめ、香川県の補助金・支援制度もご参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 1981年6月以降に建築された建物は対象外ですか? A. 新耐震基準に基づく建物のため、空き家3,000万円控除の対象外です。ただし通常の譲渡所得として計算し、相続税の取得費加算の特例が使える場合があります。
Q. 相続開始から3年を過ぎた場合、特例は使えないのですか? A. 「3年を経過する日の属する年の12月31日まで」が期限です。3年経過前に売買契約を結び、引き渡しを完了させる必要があります。
Q. 耐震改修と解体のどちらが有利ですか? A. 築年数・建物の状態・買い手の需要で変わります。耐震改修は数百万円単位の工事費がかかりますが、建物として売却できる場合は有利です。解体は確実に更地で売れますが、固定資産税の住宅用地特例が外れる期間があります。詳細は空き家の固定資産税6倍の仕組み。
Q. 遺品整理をせずに解体しても控除は受けられますか? A. 控除の対象にはなり得ますが、家財が残った状態での解体は廃棄物として処理する必要があり、解体費用が大きく増えます。遺品整理→解体の順序が実務上の標準です。
Q. 兄弟3人で相続した場合、各人3,000万円控除は使えますか? A. 2023年改正で、相続人が3人以上の場合は1人あたり2,000万円に減額されました。相続人2人までなら各人3,000万円控除が維持されます。
参照元・データについて
- 本記事は被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(租税特別措置法35条3項)の一般的な説明です。制度の詳細な適用条件・計算方法は国税庁の公式解説をご確認ください。
- 期限(2027年12月31日まで)、売却価格上限(6,000万円)、相続人3人以上の控除額減額(2,000万円)は2023年改正時点の規定です。制度延長の可能性と最新改正は国税庁の公式情報でご確認ください。
- 税額計算・申告は税理士に依頼するのが確実です。本記事は個別の税務相談ではありません。
- 耐震基準適合証明書・被相続人居住用家屋等確認書の発行手続きは、物件所在地の市町村と建築士事務所にお問い合わせください。
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